「無垢のまな板選び」奮戦記

脱プラスチック2【まな板】

なるべくプラスチック製品を避けてきた我が家の台所を見回すと、意外にもプラスチック製品が結構多いことに気がつく。三角コーナーや水切りかご、スポンジ受け、ゴミ箱、保存容器などなどに加え、我が家では黒いプラスチック製のまな板を愛用している。

「これはいかん!まな板は昔からネコ柳製に決まっているではないかっ!」
思い立ったら居ても立ってもいられないこの性格、早々に「家具・インテリア量販店」へと足を運び、商品棚を覗き込むと木製のまな板が並んでいる。

イチョウのまな板

もくじ
量販店に並ぶまな板
まな板の樹
イチョウを選ぶ
ピンポーン!
使い始めの消毒

量販店に並ぶ「まな板」

しかし目の前に並ぶまな板の樹種はヒノキだ、確かにヒノキには「ヒノキチオール」が含まれ抗菌作用が期待できるのだが、ヒノキ独特の匂いが気になる。すっきりと感じるヒノキ香は神社仏閣や風呂桶であれば良い香りに間違いないが、食材に付くと少々気になるのではないか?

ヒノキは包丁で食材を切ると傷が深くまで入るのでは、それにこれは集成材。色から判断すると白身部分と赤身部分が混在している。ヒノキは、十分に乾燥させても濡れると反りが発生しやすく、まな板として使いにくくなるというより、まな板が剃ってしまうと食材を切り難くなるので集成材としているのだろう。切れない包丁とは聞いたことがあるが、切り難いまな板では困る。

やはり、まな板は無垢一枚板に決まっている。できれば先人がまな板に適していると選んだ「ネコ楊(やなぎ)」「柳(やなぎ)」「いちょう」「朴(ほう・ほお)」の4点買いだ、金額に糸目はつけない!と叫び量販店を飛び出した。

まな板の樹

即時購入は諦め、パソコンに願いを託すことにした。

ネットで見ていると、まな板に最適な樹種は前述した4種類以外にも「榧(かや)」も適しているらしい。そのほか「無垢板 まな板」と検索すると「青森ひば」や「ヒノキ」のまな板もヒットしたが樹種には少し抵抗がある。

希望のサイズは35x20x3cmほどの大きさ、ネットで見つけた無垢板のまな板の中から希望のサイズに近いものは下記の通り。

「ねこ柳」36×22.5x3cm 36,200円
「ねこ柳」33x22x3Cm 26,800円
「いちょう」38x21x2.5cm 10,295円(税込)
「イチョウ」白太 36x21x3.0cm 6,000円
「本榧(かや)」35×21×3cm 6,380円(税込)
「朴(ほお)」36X21X2.4cm 3,300円
「桧」  40x22x2.5 3,000円(税別)
「檜」 40x27x3.0 5,800円
「青森ヒバ」 36×24.5x3cm 7,180(税込)
※ヒノキ表示「檜」「桧」はWEBサイト上の名称を使用
金額は2012年1月WEB上の金額

脱プラスチックは「良いものを長く使い続けるための決意だ!」と心に誓い
「金額に糸目はつけない!」とインテリア量販店を飛び出したものの、パソコン前に座り、コーヒを一口、冷静に比較すると3万円前後の「ねこ柳」は、やはり高額に思えてきた。
ヒノキは、建築材や風呂桶には良材であることは間違いない、しかしまな板となると話は別だ。

ここで冷静に樹種の特徴を整理してみよう。

「柳」

「柳」バッコヤナギ・ヤマネコヤナギ
■ 落葉性広葉樹
■ ヤナギ科
■ 産地:日本
■ 比重:0.45
心材は鮮やかな黄褐色、辺材は白色。小口面に見る年輪には凹凸がある。材は器具(箱・裁板・小細工用)に、樹皮の繊維は製縄に用いる。

「銀杏」イチョウ

■ 落葉性
■ イチョウ科
■ 世界で最古の原生樹種の一つ
■ 比重:0.55
心辺材の区別は明瞭でなく、黄白色加工性は良いが耐朽性は良くない。普及品の将棋盤、碁盤、まな板などにも使われる。日本全国に古木があり天然記念物に指定されているものも多い。種子は銀杏として食用に流通しているが中毒を発症し死亡例もあるので、一定の配慮が必要。

「榧」カヤ

■ 常緑針葉樹
■ イチイ科
■ 産地:日本。朝鮮
■ 比重:0.53
心材は褐黄色、辺材は黄白色。年輪の幅は狭く、樹脂成分が多く独特の匂いがあり、弾力に富む。耐朽性は高く、水湿耐える。榧で作った碁盤・将棋盤は最高級品とされ、主な産地は日向と奈良県春日山産。従来の乾燥法では伐採から製品になるまで10年はかかるといわれる。

「朴」ホオ・ホウ・ホオノキ

■ 落葉広葉樹
■ モクレン科
■ 産地:日本
■ 比重:0.49
良質の散孔材。心材は暗灰緑色、辺材は灰白色で幅は狭い、心辺材の区別・年輪は明瞭。柔らかく、軽く、粘りがあり繊維が均質で緻密。夏目と冬目の硬さは同じで、刃物の通りはすこぶる良い。乾燥が容易で、割れや狂いも少なく朴歯の下駄に多用。古くは上等の製図板に用いられた。

「桧・檜」ヒノキ

■ 常緑針葉樹
■ ヒノキ科
■ 産地:日本
■ 比重:0.45
一級の良材。心材は淡黄褐色から淡紅色、辺材は淡黄白色。心辺材の区別は不明瞭なことが多く、独特の芳香と光沢がある。やや柔軟で加工性は良い。割裂、乾燥ともに容易。保存性がよく、心材は耐朽性に優れ、水に強く風呂桶に賞用。ただし日本書紀には「スギ・クスノキは船に、ヒノキは宮殿に使いなさい」と記載されている。

「檜葉・翌檜・椹」ヒバ・アスナロ・サワラ

■ 常緑針葉樹
■ ヒノキ科
■ 産地:日本
■ 比重:0.48
心材はくすんだ黄褐色、辺材は白色で心辺材の区別は明瞭。加工、乾燥ともに容易。抗菌・防虫・滂沱に効果が期待できるヒノキチオールを多く含み、水湿に強い。国内では特に青森県産のヒバをアオモリヒバと呼ぶ。

※参考:宮本茂紀著「原色インテリア木材ブック」
建築知識:緑のデザイン図鑑

イチョウを選ぶ

第一候補は「ねこ柳」だがとにかく、良いお値段。素人の私には恐れ多い金額。
針葉樹系のまな板は省き、残る「銀杏」「榧」「朴」の中から「世界で最古の原生樹種」さまであるイチョウをチョイスした。

中でも、隣県でもあり曹洞宗の宗祖道元が改案した曹洞宗大本山永平寺の近く、白山信仰発祥の地近隣の木材であればなんとなく、ご利益も期待できるだろうと、福井県の双葉商店さんに決定。

双葉商店さんのサイトには「イチョウ白太(辺材)36x21x3.0cm 6,000円」と掲載されてはいる、しかし建築でいうところの赤身材(心材)の記載はなく、心材信仰の私としては、どうしても心材を使ったまな板の金額を知りたい。

2020年12月10日午前10:00にサイトの見積り・問い合わせフォームに入力し送信。
当日14:10「赤太(心材)のまな板は11,000円+税」および「赤太は天然の油分が特に多いので匂いがきつい場合がございます」との返信あり。

ピンポーン!

税込12,100円か〜
数日考えたが、脱プラスチックだ!
やはり注文しよう!
同年同月15日早朝4:30(それなりの高齢なので朝が早いのだ)に双葉商店のホームページから「赤太まな板」サイズは、36x21x3cmの品を代引払いで注文した。

同日9:32に注文のお礼メールが届き、さらに23:22にお決まりの自動返信メールが届く???。

同年同月17日に、伝票番号とともに発送案内がメールで届く。
お届け時間の指定をしていなかったので、クロネコヤマトのページにて午前中を選択。

翌18日11:30頃「ピンポーン」
玄関ドアを挟み、代金12,430円をドライバーに渡し、品を受け取る。

早々に開封。

まな板表面はツルツルスベスベ、ほんの少し樹の油味を手に感じる。木表(樹の外側)にはヒラメ?、木裏(樹の内側)にはナス、側面には双葉商店のイチョウの葉をモチーフにした焼印が押されている。

焼印

匂いは、まな板に鼻を近づけると、ほのかに銀杏の樹香がするが、そんなにきつい匂いとは感じない。

まな板には納品書とともに下記の説明書等が同封されている。
「取り扱いの注意書」
「赤太まな板(銀杏)御買上説明書」
「削り直しが必要となった場合の送付方法」
「イチョウのお話」
「イチョウマナイタのしおり」
総じて特徴の紹介と取り扱い上の注意になる。
内容をまとめると下記の通り。

特徴

・材料は福井県の雪深い山奥から切り出されたもの
・イチョウには抗菌力があり材質が均一
・油味があり水はけが良い
・刃当たりがよく包丁を傷めない
・柔らかく復原力がある
・防腐剤、防カビ材などの加工はしていない

注意

・水分を拭き取り風通しの良いところに立て、濡れた状態で放置しない
・食器か洗浄機や乾燥機を使用しない
・直射日光、ガスコンロなど火気のそばに長時間放置しない
・天然木である為、ヒビ・反り・カビ・黒ずみが発生する場合がある

「赤太のまな板は、通常のものより特に油分が多く含まれているため色が濃く、水はけがよいが、独特の匂いがする。特に赤太特有の匂いが強くなるので熱湯はかけないでください」
と記してある。

木材は熱湯でなくとも、表面を水拭きするだけで樹香がすることは百も承知。

使い始める前に問題が一つ起こった。

使い始めの「消毒」

消毒だ、私は軽微な感染恐怖症、双葉商店さんは信用しているが、他人が触ったまな板の上に食材を置くことにどうしても抵抗がある。また食品についた細菌がまな板の上に、ひつこく生き残っている可能性も考えられる。さらに最近は新型コロナで細菌に敏感になっているのだ。

イチョウやヒノキには抗菌作用があるとはいうものの、それは木に含まれているもので、何回も洗った木の表面にいつまでも抗菌に作用する成分が残っているはずもなく、やはりまな板表面を清潔に保つには、表面の除菌。消毒を行わなければならない。
包丁で傷が入った箇所なども、私みたいに適当に水で流すだけでは、もし細菌が付着した場合、食中毒を起こすかもしれない。

新聞に
「まな板に付着した細菌で、中年男性食中毒による孤独死」
と載るのも恥ずかしい。

すぐ頭に浮かんだ消毒・除菌の方法は3通り
1塩素による除菌
2アルコールによる除菌
3熱湯による消毒

折角、双葉商店さんでは防腐剤・防カビ材の加工をせず商品化してくださっているのに、私が塩素やオルコールを吹き付けるわけにもいかない。

説明書には「※赤太特有に匂いがキツくなりますので熱湯はかけないでください」
とはあるものの、やはり自分の身は自分で守らなければ孤独死を迎えるのみ。

「双葉商店さんごめんなさい」と、言いつつまな板に熱湯をかけた。
確かに銀杏特有の樹香が湧き立つが、それは一瞬だけで銀杏を食べたと思えば、そんなもの。

十分に乾燥した3cm厚の木表面に熱湯を掛けたくらいでは、木が反ることも無い。これで安心してイチョウのまな板を堪能できると一安心。(個人的な感想です)

さて、まな板は使えば使うほど包丁によるダメージが深刻化する、私などのようにチョコチョコっと菜葉やお肉を切る程度では、そんなに早く表面が痛むとも考えられないが、ヘビーユーザーは気になるところだろう。

ご安心あれ!

双葉商店さんでは、表面の削り直しを無料で行ってくれる。ただし送料は手前持ちになる。
ここで一つ注意が必要、厚み2cm未満の商品は削り直しができないそうで、新規購入する場合、2cmの品を選ぶと1度の削り直ししかできない。
新規購入するなら、厚みは3cmの品を選びたい。

最後に同封されていた「イチョウのお話」は興味深く、ここで紹介したい。

イチョウのお話
  神社やお寺の境内で必ずといっていい程見かけるイチョウの木は、 極めて丈夫で長命な樹木で、1億5千年もの長い間この地球に生存してきた「生きた化石」で、まさしく神秘の木であります。 またイチョウ葉抽出物はドイツ、 フランスでその効果が臨床的に認められ世界各国の多くの人々から「脳機能障害」、「認知症」、「気管支炎」、「端息」に対する効能を備えていると支持されています。
  かって広島に原子爆弾が投下され、 広島市全土が焼土と化し今後一切植物はこの地では育たないであろうと言われた中で、 一番早く焼け焦げた木から芽を吹き出した樹木はイチョウであったと言われ、このほか阪神大震災に伴った火災においても、イチョウが防火延焼防止の効果を挙げたことが関係者の注目を集めました。 このように生命力の強いイチョウの木は古来より「神の木」として崇められています。
 株式会社双葉商店「イチョウのお話」より抜粋

個人的脱プラスチュック宣言を発出し、今回はまな板を木製に変えた。
まだまだ身の回りにはプラスチック製品が多い、いかにこれまで安価で便利というだけで無駄な商品を買ってきたのか、過去の自分に「喝」を入れ、早々に身の回りからプラスチック製品をなくしたい。

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