住宅のメンテナンスコスト「杉無垢板張り編」

もくじ

杉無垢板
施工方法
縦張りの種類と施工方法
下見板(横張り)の種類と施工方法
無垢板張り50年間の外壁費
杉板外装材の種類と金額
50年金額「杉無垢板」
50年金額「窯業サイディング」
編集後記:金食い虫
お知らせ

column
「外壁無垢板の固定方」
「木材の品質基準区分」
「焼杉・手焼きの方法」

外壁のメンテナンスコスト「杉板張り」

杉無垢板

外壁材として杉無垢板が用いられていることは、神社仏閣や古い町家、民家で見かけることも多く、皆さんも良くご存知の通り。かといって長い建築の歴史の中では、庶民の住宅に板が使われ始めたのは、新しい方で、縦引きの鋸が開発された江戸期に入ってからである。それまでは分厚い板を手斧ではつり、懸命に薄い板に仕上げていた。
なんとなく無垢材は腐りやすいというイメージがあるかもしれません。確かに白身(白太)と呼ばれる辺材部分はあまり耐候性がありませんが、赤身部分は耐候性・対犠牲に優れ、何十年も外壁としての役目を果たし、ほぼメンテナンスフリーであることを多くの建物が実証している。
杉板を外壁として使用するには、デザインの好みもあるが、メンテナンスを考えるなら、板の水きれがよくなる材料の使い方と、その施工方法を心がけなければなりません。

施工方法


縦張りの種類と施工法

重ね張り

外壁に無垢板を用いる時は、水きれが良い縦張りが基本。重ね打ちは、無垢板を外壁材として比較的初期段階の家に多く見受けられ、材を加工することなく同じ板厚の材を重ね、表面から釘を打ち付け固定する。風の方向にもよるが、風雨が強いと内部に漏水する可能性が高い。

羽重ね張り

「重ね打ち」と施工は同じだが「羽重ね打ち」は、使用する材を長手方向片側を大きく面取りするように削った板を重ね合わせて表面から釘を打ちする。重ね打ちと同じく補修が容易で、材が腐った時には、その一枚だけを容易に交換することが可能。

すべり打ち

無垢材の長手方向両端を大きく面取りし、面取り部分を重ね、表面を平坦に揃えて表面から釘打ちする。凹凸がないため風の影響を受けにくいが、隙間が発生すると重ねしろが少なく直線的な接合面なので、漏水や隙間風が発生する可能性は「重ね張り」「羽重ね張り」同様に高い。材料の取り換えは容易で補修しやすい。

相じゃくり打ち(相决り打ち)

無垢板の長手方向両端に細長く欠き取り(决り)を入れ、欠き取り部分を重ね合わせ表面を平坦に揃えて釘で固定する。材の接ぎ部分がクランク状になるため、漏水や隙間風の発生は、少なくなる。メンテナンスは、表面から釘打ちをするため容易である。ちなみに「しゃくり」の漢字は「冫(にすい)」。

目透かし相じゃくり打ち

相じゃくり部分に目透かし(溝または底目地)を入れ、材料の表面は平坦に揃えた張り方。固定は表面から釘打ちされ、補修は容易である。外壁としての性能は「相じゃくり打ち」と大きな差はないが、材料の幅が多少変化し隙間が目立つことはない。意匠的には目透かし部分に影ができるため、軽い感じに仕上がる。

大面取り相じゃくり打ち

材と材の接ぎ部分に大面取りを施した相じゃくり打ち。性能や特徴は「目透かし相じゃくり」と同様。材料の変化により隙間が目立つ場合もある。意匠性は「目透かし」と同じく軽い感じに仕上がるが、好みにもよる。

さねはぎ打ち(本ざね)

板の片方に突起を作り、他方に溝を掘り板と板を接合して釘で打ち付ける。さね(実)とは、板の傍(そば)に付けた細長い突起を意味し、接(は)ぎとは、板の傍面を張り合わせることを意味する。外壁には、さねはぎは相じゃくりよりも雨水や隙間風が入りにくい特徴を持つ。一枚だけ取り替えが必要となった場合でも、接合面が凹凸になっているため、相じゃくりより難しく感じるが、手慣れた大工であれば、補修はそれほど難しいことはない。
ウッドサイディング では「T&G」がこの「さねはぎ加工」を基本としている。

目板打ち

平坦に張った幅広の板と板の継ぎ目部分に、目板と呼ばれる幅の狭い木を打ち付けた仕上げ。幅広の板を固定する釘は、目板で隠れる部分に打ち、目板の固定は、目板表面から等間隔に打ち付ける。簡単な工法だが耐候性、耐風性にも優れ、材の腐りなどにより取り替えが必要になっても、容易に交換が可能。

敷き目板打ち

仕上げ材の裏面に目板を打ち付ける仕上げ方法。外壁材の性能としては目板打ちと同じだが、継ぎ目で固定する釘が2本並ぶため、意匠的には釘打ちには気をつけたい。目板を下地として利用する方法もあり目板打ちより、安価に仕上げることも可能だが、手抜き工事とも言えるので、やはり横胴縁に敷き目板を打ち付けた施工が望ましい。補修は目板打ち同様で容易に交換可能。

大和打ち

板を重ね合わせ交互に重ね合わせ、前後に釘で打ち付ける。前面の板裏に空間ができるため、雨が侵入しても下地に伝わることなく前面の板裏を伝わって排水される特徴を持つが、この空間に風が通り抜けやすく、以前の住宅でいえば隙間風には弱かった。しかし、通気工法が標準となった現在、透湿防水層および断熱性能を高めた木造住宅には適する工法であり、採用を検討する余地はかなり高い。経年変化で材料間に隙間が出来ても、釘を打ち増しすれば問題なく、たとえ材の一部が腐敗しても、取り替えは容易である。

縦板張りの重要なポイント

外壁:縦張り板の腐り
水切り部分の小口から侵攻しやすい縦張り板の腐り。外壁と基礎部分

縦張りをするとき、決して水切りと外壁の板を隙間なくピタリとつけず10mm以上の隙間を空けておかなければなりません。建築で隙間があるとなんだか施工不良のような感じがしますが、建築には場所により必要な隙間もあります。水切りの上に隙間を空けておかなければ、写真のように小口部分が乾きにくく腐敗しやすくなるのです。


下見板(横張り)の種類と施工法

「下見板張り」種類と施工法

よろい(鎧)張り下見/南京下見板張り

長い板材を横に張る際、下に貼った板の上端に少し重ね段差をつけながら表面から釘打ちで張る工法。施工は比較的簡単で、板材間に段差ができるため、雨水などが侵入しにくい。メンテナンス時の材の取り換えは、上下2枚の板を釘打ちで施工するため、少々手間がかかるが難しくはない。
材料の断面形状は、矩形の四角い材のほか台形や决(しゃく)り加工、実(さね)加工を施した製品もある。ウッドサイディング の製品名「ベベルサイディング」は、このよろい張り下見のことをいう。

目地切り下見/ドイツ下見

相じゃくりした材を横張りで施工する。上端に突起を付け、突起下の仕上げ面は面取りし、下部の裏面に欠き込み(しゃくり)を入れ、重ね合わせて、表面から釘打ちで仕上げる。
将来のメンテナンスのため、しゃくり部分への釘打ちは避けて施工しておけば、よろい張りよりも簡単に材の取り換えが可能。

押し縁下見

よろい張り下見板の仕上げ表面に、長尺の角材もしくは板材で押さえ付け釘を打ち付ける仕上げ方法。よろい張りでは、板の継ぎ手部分にできる隙間も塞ぐことが出来るため、雨水の侵入を軽減できる。また継ぎ手部分が押縁の影に隠れ表面の釘は、押縁表面の釘だけしか見えないので見た目も良くなる。材料の取り換えは押縁を外してしまえば、簡単に交換が可能。

ささら子下見

羽重ねした板に、ささら子という名の抑え打ちを縦に打ち付けた仕上げ。一見、押縁下地に似ているが、ささら子下見は抑える長尺の角材を下見板の段差がある形に加工し、下見板と押縁の間に隙間をなくして打ち付ける仕上げ。押縁と板材の間に隙間がないため、仕上がりは、継ぎ手が見えず、取り付けの釘の数も少なく見た目は美しい。材料の取り換えは、既存の外壁板材の寸法と同じサイズに加工する必要があるが、取り換えはささら子を外して行う。

凸目地下見

横張りする長い板材それぞれ一枚毎の上下に目地棒を取り付けた仕上げ。目地棒は板表面より飛び出し、上面は水切りが良くなるように傾斜を設け、板と接する部分は相じゃくり加工がなされる。板の取り付けは他の下見板と同様に板表面から釘打ちされる。メンテナンスで板の取り換えが必要となっても、容易に交換が可能。

下見板張りの重要なポイント

無垢板は水はけが悪く、乾きにくい節や小口部分が腐りやすく、外壁材には節がないものが好ましい。さらに下見板(横板張り)で気をつけたいのが出隅部分の処理で「付け柱」や「見切り縁」などを取り付け、下見板の小口が見えないように仕上げたい。「小口留め」もすっきりと美しい印象を持つ仕上がりになるが、施工には熟練の技と適切に換装された木材でなければ、将来隙間が発生することも多く、材料によっては先端部分が腐りやすい場合もある。小口を表(あらわ)しにする「やり違い」は、無塗装仕上げであれば、手間がかからず使用木材の簡素化が出来るが、塗装仕上げをする場合には、材を施工する前に小口部分を含め塗装をしておかなければ、後に余計な手間と時間がかかる場合もあるので要注意。「やり違い」は、倉庫や仮設の建物には、簡単に外壁を晴れるので手早い施工法の一つといえるが、小口部分から腐りやすく、住宅に使用するにはとても疑問が残るところでもある。


外壁板の固定方法

下見板張りでも、羽目板張りでもどちらにも共通して言えることだが、板を打ち付ける釘でもビスでも雨の侵入を防ぐため、外側が低くなるように打たなければならない。図は少し誇張して書いてあるので、これほどの勾配をつけると、ビスを締め付けると材料が持ち上がるのでご注意ですが、必ず外側を低くして、水の侵入を防ぐこと。
また、固定方法は、ビスもしくは釘だが、補修だけを考えるとステンレス製のスリムビスが望ましいのだが、意匠的にはビス頭の光る点々が、どうも気になってしょうがなく、板の色とビス頭の相性などデザイン的な検討も忘れずに。


無垢板張り50年間の外壁費

無垢板、特に赤身無節材の耐久性、耐候性は非常に優れており、メンテナンスコストばかりか、地球環境の改善にもつながる外壁材である。しかし住宅に採用されない理由の一つが、製品にムラがあることと、職人の不足であることが考えられ、大手ハウスメーカーに採用されないため、あまり一般化しないことも大きな理由の一つである。もちろん住宅の80%に使われるとも言われる窯業系サイディングより、新築時の金額が高額になることも、その理由の一つであることに間違いはないだろう。

では、実際にどれほど異なるのか、国内の平均値に近い一戸建て木造住宅の規模を想定し試算してみる。


掲載金額に関するお願い

掲載金額は、比較参照のため「一般社団法人経済調査会刊:積算資料住宅建築編2017年度版、およびWEBの金額を参考として、素材別に具体的な数字を掲載していますが、これはあくまでも比較検討用の金額であり、実質的な工事金額とは異なることをご承知ください。


建物規模

構造:木造総2階建
建築面積 : 66.53㎡ (20.09坪)
1階床面積: 63.76㎡ (19.25坪)
2階床面積: 64.30㎡ (19.41坪)
延床面積 :128.06㎡ (38.66坪)
外壁面積 :171.47㎡ (51.88坪)

杉板外装材の種類と金額

国産の木質系外装材として主に使われる杉や檜、松などの針葉樹には、赤身部分と白太と呼ばれる辺材があり、外壁材に使用するには、腐朽性や防蟻性の高い赤身部分を使いたい。

中でも流通が最も多い杉材は、赤身と白太部分が分かりやすいのだが、赤身だけで外壁に使用する無垢板を樹齢がおおよそ20年から30年の間に行われる間伐材では、少量しか製品化できず、いわゆる貴重部位として価格に反映される。さらに無節となれば、やはり樹齢が長い大径木からの製材となるため、さらに高価になる。

自然素材の価格は、市場の原理にて貴重な品や価値のある品が高額になり、窯業サイディング のような工業製品は、市場価値よりも企業独自の経営的な価格設定により決定するところが大きく違う。と、ひとこと付け加えておきたい。

今回、見積りの杉無垢材品質は「赤身材の無節材」と同じく「赤身材の上小節材2種」及び「焼杉材」さらに雨量が多い伊勢半島に伝わる[雨除け板]の仕上げ法を参考とした「塗装仕上げ」4種類の見積りを行い、窯業系サイディング との差額を検討した。

木材の品質基準区分

[無 節]
節がないこと
[上小節]
長径が10mm(生き節以外の節にあっては、5mm)以下であって、かつ、材長が2m未満のものにあっては3個以内、材長が2m以上のものにあっては4個(木口の長辺が210mm以上のものにあっては、6個)以内であること。
[小 節]
長径が20mm(生き節以外の節にあっては、10mm)以下であって、かつ、材長が2m未満のものにあっては5個以内、材長が2m以上のものにあっては6個(木口の長辺が210mm以上のものにあっては、8個)以内であること。
[ 並 ]長径が20mmを超え、かつ、長径が木口の長辺の70%以下であること。

※ 製材の日本農林規格より抜粋


50年金額「杉無垢板」

無塗装仕上げ

杉の赤身は、耐水性、耐蟻性に優れ耐久性があり、古くから神社仏閣に使われてきた。その実力は、シロ蟻被害にあった住宅を検査した際に見た床垂木は、白太部分白蟻に喰われ原型を留めていなかったが、赤身部分は全く被害なかったほどで、外壁に杉の赤身部分を使用すれば無塗装であっても、少なくとも50年間は、外壁材の張り替える必要はないと考えている。

杉無垢板張り赤身 無塗装
無 節¥3,943,811
特選上小節¥3,185,914
上小節¥2,474,313
節あり¥1,375,190

焼杉

焼杉の製造は、古くから伝わる「手焼き」と、バーナーなどを使用する「機械焼き」があり、焼いたままの「炭付き」ブラシで炭を落とした「磨き」さらに、杢目を浮き出した「浮造り」の仕上げがある。住宅の外壁には、取り扱いは難しいが、最も耐久性能が期待できる「手焼き」で製造された「炭付き」を選びたい。

焼杉無垢板張り焼杉 無塗装
節あり¥1,508,937

焼杉・手焼きの方法

真っ黒な仕上げは世界的にも珍しく、滋賀県以西に見られる伝統工法で、主流は3枚の杉板を三角柱型に組み合わせ、間に楔(くさび)を差し込み十分に濡らした縄で締め、端に鉋屑などを詰め点火し、垂直に立て内部を焼く。炎の量が少ない箇所は、楔を打ち込み空気を送りこむ調整をする。材によっても異なるが、およそ5分ほどを目安に、材の表面が十分に焼けたら、寝かせて縄を解き、水をかけ消火する。


塗装仕上げ

雨量が多い紀伊半島の町家は、雨から建物を守るため「雨除け板」が設けられてきた。雨除け板は杉の赤身で節の無い材を用い、煤に柿渋、カツオなどの魚油を混ぜて練った防腐塗料を新設時に塗ってから、3〜5年後にもう一度塗り直した後には、塗り直す必要がないという。この古来から伝わっていた塗装方法を参考に、ベンガラ入り柿渋と、古くから建築に使用されてきた亜麻仁油を選び、金額の算出をした。

無垢板塗装仕上赤身 塗装仕上
無 節¥4,535,382
特選上小節¥3,777,485
上小節¥3,065,885
節あり¥1,966,762

再塗装費用

再塗装の費用は下記の通りで、地域により外壁の状態は異なると思われるため、2通りの金額を算出してみた。強い風雨にさらされる地域や汚れが多く付着する可能性が高い地域であれば、柿渋と亜麻仁油を再塗装する必要があるだろう。逆に、軒の出が深い住宅や外壁に汚れが付着しにくい地域であれば、亜麻仁油だけの再塗装でも構わないだろう。

再塗装費用仮設足場代込み
柿渋+亜麻仁油仕上¥1,056,785
亜麻仁油仕上¥616,784

ただし、柿渋は水溶性なので完全に乾燥していなければ、降雨により流れてしまうため、既存の建物外壁に塗ることは難しい。

浸透性塗装済み製品

塗装済み製品杉赤身 縦張
木もちe-外壁¥2,402,639

外壁にかかる金額を、同じ住宅で各品質区分毎の金額を算出した結果、最高額は赤身無節に塗装をした3,943,811円で、赤身節ありは1,375,190円となった。

赤身で無節材であれば、過去の実績から何十年、いや百年もの期間はメンテナンスの必要はないだろうから、50年間の外壁材金額は新築工事時の外壁金額と同額であると言って良い。

新築費用に予算をかけられない場合は、赤身の節ありが最もお手頃である。しかし、節部分の木材断面から腐朽しやすいなど将来のメンテナンスコストを考えるなら、焼杉もしくは節あり材の塗装仕上げを選択しても良いだろう。


50年間金額「窯業サイディング」

無垢板外壁材の金額の前に、比較対象となるように、国内では主流となりつつある窯業系サイディング の費用を同じ住宅で試算した。

ご存知の通り窯業サイディングは、何種類もの製品が流通しており、グレードによる単価は異なるが、一般に多く使用されているであろう塗装品で、厚さ14mmの普及品と厚さ18mmの中級品で、両グレードとも新築時と10年に1度の塗替え費用、及び30年に1度は必要になるであろう張替え費用も、現在の金額で見積りした。

コーキング(シーリング)費用に関しては、窯業サイディング に含まれており、無垢材には含まれていないが、これは、サイディングの目地等に使用するコーキング費であり、窓開口部分などの費用は別にしているため、無垢材の明細金額には含まれていない。

窯業サイディング
普及品グレード¥1,526,675
中級品グレード¥1,876,473

参考:一般社団法人経済調査会「積算資料 住宅建築編2017年度版」

新築時に外壁に窯業サイディング を採用した場合の金額は、普及品グレードで約152万円、中級品グレードで約188万円となる。

メンテナンス費用

窯業外装材協会では「外壁は風雨や太陽光の紫外線、寒冷地では雪あるいは凍結など過酷な条件下にさらされ、経年変化による劣化が進むため、その美観と性能を保つために、定期的な点検と早めのメンテナンスが必要である」としている。

そこで今回は、同協会のメンテナンス方法とそのスケジュールを参考に、50年間のメンテナンス費用を試算する。

窯業サイディングメンテナンスコスト

塗替え工事費用アクリルシリコン系塗料
塗装工事¥1,146,238
張替え工事費用窯業サイディング
普及グレード¥2,086,803
中級グレード¥2,436,602

メンテナンススケジュール

日本窯業外装材協会の一般的サイディング スケジュールでは25年間で、3回の塗装工事、1回の張替え工事および内部下地の点検を推奨しており、目地その他のシーリングは、別途必要に応じて部分打ち替え・全面打ち替えが必要としている。

新築工事で外壁に窯業サイディング を選び、このスケジュールに沿って、窯業サイディング のメンテナンスコストを算出すると、塗替え工事が6回、張替え工事は少なくとも1回、あるいは2回必要となる。

窯業サイディング メンテナンス費用

今回は、普及グレード品のサイディング を50年間で、塗替え工事が6回、張替え工事は1回として、現時点での参考価格を参考に合計金額を試算した。

メンテナンス項目メンテナンス費用
5年〜10年後 塗替え¥1,146,238
10年〜16年後 塗替え¥1,146,238
16年〜23年後 塗替え¥1,146,238
24年〜30年後 張替え¥2,086,803
30年〜35年後 塗替え¥1,146,238
35年〜41年後 塗替え¥1,146,238
41年〜50年後 塗替え¥1,146,238
合計金額¥8,964,231

参考:シーリング打替え費用

参考のためシーリング打ち替え工事費用を試算
幅15mm 深さ10mm
サイディング 目地 121.7m
サッシ周り目地   83.2m
合計        204.92m

シーリング打ち替え工事変成シリコーン
仮設足場¥342,432
既存シーリング撤去費¥30,738
シーリング打ち¥114,755
合 計¥487,952

窯業サイディングの50年費用

普及グレード¥10,490,906
中級グレード¥11,190,503

外壁に窯業系サイディングを選び、適切なメンテナンスを行うとすれば、50年間で必要な金額は約900万円。加えて、必要に応じてシーリング打ち替え工事に約50万円の出費が生じる。違う言い方をすれば、窯業系サイディングで新築すると、将来約900万円以上の負担が強いられる。

窯業系サイディング の新築時の工事金額を加えると、50年間で外壁に費やする金額は、少なくとも約1,050万円となる。

「窯業系サイディングは金食い虫だ」と考えた方が良い。もう一言、踏み込んで言うなら、窯業系サイディング を選ぶ住宅会社を信用してはいけない。何故なら、そのような住宅会社は目先の工事にしか興味がなく、住まい手の将来や、暮らし、経済的負担のことなど全く考えていないからである。

※ 中級グレードの金額は、普及グレードと同様に算出し掲載している。

編集後記

外壁の種類で、将来の出費が大きく異なることをご理解いただけただろうか。
新築工事、あるいは増改築工事を考えるときには、将来のコストも同時に考えなければ、経済的な負担や暮らし方、住宅の寿命にまで関係する大きな問題である。

外壁は、建物本体を守る大切な役割を担っている。外壁に何かしらの問題が発生すれば、構造体にまで影響を及ぼし、断熱材の性能低下や木材の腐朽による耐力低下、最悪の場合には地震時の建物倒壊による生命の危機にまでつながるかもしれない。実際に過去の地震時に崩壊した多くの住宅は、木材の腐朽による耐力低下であった。

今回の試算では、確かに杉の赤身無節板であれば約395万円という金額は、高額かもしれないが、赤身上小節の約250万円であれば、窯業サイディング の中級グレード約187万円と比較しても差額が60万円強と、僅かでしかなく、十分に検討の余地があるのであはないだろうか。

個人的には、赤身上小節を使用した目板打ちを最も推薦したい。目板打ちは杉板の上から目板で打ち付ける方法で、もし杉板に交換の必要が出来たとしても簡単に一枚だけ交換が可能だ。加えて、古くから、一般的に使われてきた素材と工法ではあるが、意匠的にも目板の間隔や幅、厚みを独自の感覚と工夫で、独自の表情を生み出すことができる楽しみもある。

住宅を新築する時には、普段の生活費とは桁違いに多額の資金計画を行わなければならない。経験者の方からは「金額が大きすぎてわからなくなる」との感想を聞くこともある。しかし、住宅資金も家計と同じく1円の積み重ねであることには間違いない。

賢い資金計画、失敗しない資金計画をするなら、事前の予算配分が必要なのだ、計画当初の間取りの段階から、概算予算の算出を行い、住宅の大きさと予算を比べ、どこにどれくらいの予算が必要なのか、あるいはどのような材料を選べるのか、外壁だけはメンテナンスフリーの素材を選ぶと、現在は何を我慢すればいいのか、それは将来変更が可能なのかなどなど、多方面からの検討が必要になる。そして多方面からの検討をすることで、質が高く価値ある住宅を新築することができる。

お知らせ

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