自然災害と住宅

自然災害と住宅

もくじ

【生命と財産を守る敷地選び】
【地震災害】
【洪水・浸水災害】
【土砂災害】
【風災害】
1900年以降の国内における主な自然災害

我が国の自然と災害

海に囲まれ山が多く、国土の66%が森林が占め、3000m級の山脈が日本列島をつらぬいている日本は、四季が豊かで様々な美しい自然を楽しむことができる。

一方で我が国は、地震や台風による暴風・豪雨、土砂災害また豪雪など世界有数の自然災害国でもある。

近年は、梅雨や台風の時期に気候の変化によるものと思われる線状降水帯やゲリラ豪雨など、これまで経験したことがないほどの集中豪雨が、毎年のように甚大な被害が発生する。

自然災害と宅地造成

自然災害による被害の多くは本来、人間が手を加えてならない土地に「社会」あるいは「一般消費者」のためという名目で、己の「欲望」を満たす行為ではなかったのか。一時、乱開発とも呼ばれた自然を無視し、自然はコントロールできると過信した造成工事は、住宅を新築してしまった人々の命と財産も巻き込んだ、愚かな人災といえるのかもしれない。

【生命と財産を守る敷地選び】

自然災害で被災する可能性の高い敷地は、現地や歴史、ハザードマップを確認することで把握することが可能だ。さらに大震災が発生した場合の予測震度を公表している自治体もあり、自宅を新築計画する場合の参考にしたい。自然災害の対策を行うときには、できうる限り建築予定地の情報収集に努めなければならない。これまでの経験上、敷地にはそれぞれ敷地の特性があるため、極端な例を言えば、建築予定地と隣地とは全く異なる地盤の可能性もあると考え、計画しなければならない。

【地震災害】

地球を覆う十数枚のプレートのうち、4つのプレートが重なる位置に形成され、複雑な地殻の上に形成される日本列島は、世界有数の地震多発国だ。
海洋プレートと大陸プレートの境界に位置する我が国は、海洋プレートの沈み込みにより境界型の巨大地震が定期的に発生し、主に大陸プレートの運動に起因する内陸域の地殻内地震などが多数発生する。

また,四方を海に囲まれ複雑で長い海岸線の近くに居住地も多く、地震の際の津波による大きな被害も発生しやすい。さらに平地から海岸線までの距離が短く、本来湿地帯であった場所、いわゆる液状化現象が発生し易い軟弱地盤の敷地に新築された住宅も多く、地震時に被害が拡大する恐れが大きい。

【洪水・浸水災害】

国土に対し平地は少なく山間地が多い国土は、河川が急勾配であり、平坦部では河川水位より同等あるいは低位の居住地は、大雨が降ると急激に河川の流量が増加し、洪水や浸水など河川の氾濫、内水氾濫などによる災害を受けやすい。

近年の世界的な天候の変化により、国内でも1時間降水量が50mm以上の発生回数は年々増加。1980年代の発生回数が222.4回に比べ、2010年代の発生回数は327.1回と約1.5倍に増加しており、洪水や浸水災害の発生する危険度も年々増加傾向にある。

1時間降水量50mm以上の10年間の年間発生回数は、下記の通り。

1980年〜1989年 222.4回
1990年〜1999年 258.2回
2000年〜2009年 287.3回
2010年〜2019年 327.1回

参考:気象庁「全国(アメダス)の1時間降水量50mm以上の年間発生回数」

【土砂災害】

急峻な山地、谷地または崖地あるいは、その近隣にも多くの住宅が建ち、近年の林地や傾斜地または、その周辺に開発された敷地での土砂災害による犠牲者が大きな割合を占めるようになり、その対策が急がれ、毎年のように甚大な土砂災害の被害が発生する現状に心が痛むばかりである。

そこで、崖地や山地が迫る敷地が安全であるか危険なのか、特殊な道具を使わなくとも簡単に判断する方法を考えてみた。

崖地等の危険性を確認する方法

1)崖地等の方向を向き
2)腕を水平に伸ばし手を伸ばしたまま肘を90度に曲げる
3)崖地・山地等の上端部が手のどの位置にあるか目視で確認

① 指先以上            :非常に危険
② 指先から中指の付け根の間    :危険
③ 中指の付け根から親指の付け根の間:注意が必要

【風災害】

夏から秋にかける台風シーズンに加え、近年は爆弾低気圧の発生により、日本各地で突然の暴風が吹き荒れる恐れが高まっている。

日本の家屋は、風土に根ざした形に変化してきた。風が強い地域では耐風対策が施され、風雨が強い地域の住宅には、一般的に雨戸を設置するが、さほど強風が吹かない地域には一般的に雨戸は設置しない。

屋根瓦も一般消費者の皆さんは、全ての瓦を固定しているように見えますが、実際の施工は数枚に1枚しか固定されておらず、今後は瓦屋根の施工方法も十分見直す必要がある。

令和元年、千葉県を中心に、各地で台風15号による甚大な被害が発生した風害では、1年後でも公費の補助を受けて修理が完了した住宅は、申請の6割にとどまり、全壊や半壊と認定され解体される予定の住宅は、申請の半数にとどまっている現状だ。もし強風地域と同じ仕様で屋根が施工されていたなら、多くの住宅が風害を受けなかった可能性も否定できない。
このような風害で家を失わないためにも、今回の経験を生かし十分な風害対策を考えておきたい。

残念ながら、風害被害を受けた住宅の点検方法は下記のページを参考にしていただきたい。

1900年以降の国内における主な自然災害

1900年以降における国内の主な自然災害一覧

参考:内閣府「平成30年版 防災白書」
我が国における主な自然災害の状況
付属資料5:我が国の主な地震災害(明治以降)
付属資料6:我が国における昭和20年以降の主な自然災害の状況