新型コロナウイルス|COVID-19
投稿:令和2(2020)年7月7日
1920年代の大正末期から昭和初期にかけ、日本人の平均余命は著しく短命化し昭和初期には、健康増進に向け、従来の生活様式を改善して正しき健康への道を進むように幾多の提言が発表された。
およそ100年後の令和2(2020)年1月16日、厚生労働省は新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう中国・武漢市から帰国した、30代の男性から同ウイルスが検出されたことを公表した。
その後、国内で徐々に感染者数が増加しはじめ3月24日には、新規感染者数が前日の38名から65名へと増加し4月10日には、PCR検査にて陽性反応を示した1日の感染者数として、最高の708名へと達した後、減少に向い6月6日全国の陽性反応者は15名と最小値を記録したが、現在(6月30日)のところ100名前後で推移しつつ増加傾向にある。
世界に目を向けると、まだまだ増加傾向にあり2020年7月1日現在、累計1,050万人が感染している。
今回の新型頃のウイルスの発生源と考えられている、武漢市がある中国の感染症対応に対し、WHOは称賛していたが、その後中国政府は国民に向けて感染症対策が不十分であったと謝罪した。この一件からWHOの事務局長に対する疑念が高まった。
また当初、事務局長は日本に対する嫌味のように「マスクの着用は意味をなさない」とマスク着用に批判的であった。しかし現在はマスクの着用に肯定的な意見を出している。さらに、マスクの着用を義務付け違反者には罰金が課される国もある。
今回、中立的な立場であるはずのWHOの姿勢は、新型コロナウイルス 感染症を世界的に助長させ、多くの感染症患者と感染症による不要に命を奪ってしまった可能性を否定できない。
第1には世界的にWHOの信用を失墜させ、一部の人々に反感をかってしまったこと、第2に外出時にはマスクを着用するという生活様式をいち早く伝えなかったこと、第3に初期段階で世界的パンデミックになる可能性を否定し続けていたことなど、公式発表される見解に一貫性がなかったことと、何やら裏に経済的な配慮が見え隠れすることである。そして残念なことに会見から見えてくることは、一貫して事務局長の保身的な態度だけであり、その責任は非常に重いと考えられる。
このような場合、言い訳として「パニックを避けるため」と言うが、それは違う。パニックが発生するのは、無責任で偏見に満ち、曖昧な情報を発表するからであり。あくまでも中立的な立場として、初期段階から的確な数値を示し「この数値になるとパンデミックを発令しなければならなくなる」などの事前告知をしておけば良いのだ。国民は、お偉いさんが思うほど馬鹿ではない。
新型コロナウイルスは相当に怖い
記憶の中で、医師から「高血圧ですね」と言われたことはあるが「インフルエンザですね」と言われたことがない私としては、インフルエンザは未知との遭遇・・・怖いのだ。
普通の風邪をひいても、完治するには1ヶ月以上も必要とする我が身として、未知のインフルエンザそれも、治療薬もない新型コロナウイルスSARS-CoV-2に感染すると、どのような症状で、どれくらいの期間を苦しむのか、あるいは夜中に突然、重篤化し意識がなくなるかもしれない。
実際、九州では前日までなんともなかった感染者2名が、翌日に急変し重篤になったとか、脳が壊死するとか、血管の細胞が破壊し血栓を引き起こすだとか、手足の指先がしもやけのような症状が出たりとか、陰性反応となった後でも感染者の約2割の方が倦怠感や頭痛、胸の痛み、食欲不振、発熱、湿疹、味覚障害などの後遺症に苦しんでいるとも聞くではないか。
あくまでも素人感覚ではあるが、頭痛の原因が、脳内血管の炎症や脳血栓などで頭痛を発症して、その後、痴呆症への道へと進む可能性もある、あるいは倦怠感で、何もする気にならなければ、一人身の私などは、食事を作ることもなく餓死するかもしれない。
新型コロナウイルスの怖いところは、このように個人により発症する症状が未だ完全に分かっていないことと、後遺症によりどのような弊害が起こるか予測できないことであり、これまで私たちが経験してきたインフルエンザより、多種多様な症状が現れることだ。
感染したくない
周りの全員が感染しても私だけは感染したくないと、強く願っている。スーパーでは袋に入っているものしか手にせず、スーパーの入出店時には、備え付けの消毒薬で手指の消毒を行い、帰宅時には購入品全てと、買い物時に手にした財布や小銭入れ、スマートフォン、カバンの取手、車の鍵なども消毒した後に手洗い洗顔をしている。
しかしよくよく考えると、ちょっとした瞬間に髪の毛を触っていたり、目に触れたりと感染してもおかしくない行動をしていることに気がつく。
自衛隊隊員のように、感染症対策を正しく受けていない私が今日現在、感染していないのは、身の回りにコロナウイルスが存在していないだけなのかもしれない。
感染対策
今年4月に緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出制限やイベントの開催自粛、感染拡大防止などを要請されたことに加え、クラスターあるいは感染者の行動範囲の公表も付け加えられていたら、私たちはもっと安心した生活を送られたのではないだろうか。
今回の緊急事態宣言は不要であったとの意見もあるが、結果的には諸外国に比べ、国内の感染者数は非常に少なく、国民の命を守った事実は否定できず、政府には感謝したい。しかしあまりにも経済的なダメージは大きなものであった。
今回の新型コロナウイルス感染症の感染者情報を耳にして、一番に感じたことは感染者情報の少なさである。
記者会見で担当者は、個人情報に基づき情報公開できないと言うが、非感染者からすると、何処の誰が感染したかを知りたい訳ではない、いつ、どこで感染したのかが知りたいだけである。
大阪のライブハウスのように、感染が発生した場所はもちろん感染者が一定時間滞在した場所、立ち寄った場所全てを公開し、一時的にピンポイントでロックダウンすべきではないだろうか。それは飲食店でもスーパーであっても映画館、ショッピングセンター、役所であっても・・・。
ピンポイントで施設を閉鎖した場合には手厚い休業補償が必要である、例えば1週間の閉鎖要請をすれば、1ヶ月分の粗利相当分を補償金として補助し、開業再開に向けた運転資金は無条件で貸付を行う。さらに保健所の立ち会いの上、施設の消毒を行い、終了時には証明書の発行を行う。もし、その店舗が感染対策に不十分な箇所があれば、感染対策を指導し店舗を再開させれば良い。
今回の緊急事態宣言に対し、政府は莫大な補正予選を成立させ、事業者への助成や補助金、貸付に加え国民に特別給付金を配布したが、もし社会全体の営業活動を行いつつ、感染者の行動経路上の施設だけをピンポイントで封鎖と保証をしていれば、今回ほどの予算を必要としなかったであろうし、被害者としての施設では、直接保証されるので営業的にも被害は最小限で押さえられたのではないか。
保証と事業継承
平成28年の小売業事業者が約100万店、月間商品販売額は12兆円、粗利率30%として月間利益3.6兆円。飲食業は約145万店、売り上げは月に1兆7000億円、粗利率70%とすれば1.2兆円。旅館業営業許可施設数は約7.9万施設、月間売り上げは約0.5兆円、粗利率20%で0.1兆円となる。
全国の小売店、飲食店、旅館業でクラスターが発生したとして、1ヶ月間の粗利を保証したとしても総額は、約5兆円あれば良く、令和2年4月20日に成立した、第1次補正予算変更に盛り込まれた「雇用の維持と事業の継承」に充てられた財政支出30.8兆円を大きく下回る。
参考:総務省統計局
国民意識の高い日本での感染症対策としては、全体を曖昧に漠然と捉えるより、ピンポイントで抑える政策の方が、その効力を発揮するのではないだろうか。
気になること
今回の感染症(パンデミック)では、重要なアイテムの一つ「マスク」の不足と、他人に対する誹謗中傷、自己中心的な行動をする人がとても気になった。
マスク
マスク不足になり、国内の不織布マスクは輸入に頼っていたことを始めて知った。お恥ずかしい話、日常、不織布マスクといえば100円ショップで30枚入りを買っていた。何故30枚を100円で買えるのか、少々疑問を抱きつつも、そんなものかなと見逃していたが、実際には輸入品であった。
家づくりには国産材を使いましょう!と言っていた我が身が、金額だけで判断し不織布マスクを購入していた自分が恥ずかしい。
今回の新型コロナウイルス感染拡大にて、国内産業の大切さを身にしみた。今後は、できれば輸入品より国産を購入しようと考えているのだが、なかなか国産の不織布マスクを市中で見かけず、もう少し時間がかかるようである。
ネット上では国産不織布マスクを称する商品もある。ただ、マスク工業会認定商品なのか不安もあり手を出してはいない。
そもそも、不織布マスクの素材はプラスチックであり、プラスチック素材表面に付着したウイルス残存時間は、72時間であることも気になるので、国産の布製か和紙製のマスクの方が良いのかな、とも思い始めている。
誹謗中傷
マスコミのすり込みによる影響なのか最近、気になるのが悪者探しである、ごく少数であることを願っているが、他人への攻撃だ。
他人に対する誹謗中傷を行う人も不安なのだと思う、今回の新型コロナウイルス感染拡大は、日常の暮らしを急変させ、いつ自分が感染するかわからない緊張感の中、日常の暮らしを継続するストレスは想像に余る。
私などは、軽い強迫性障害で鍵を掛けたか何度も確かめたり、不潔恐怖症、汚染恐怖症でつり革には触れないので、今回の感染対策など、別にストレスでもなんでもなく、多くの皆さんが同じ行動をとる様になったことから、逆に生活しやすい社会になったと思える程である。
感染の不安が大きいなら、危険な場所へ近づかなければ良いだけだ。感染しそうな場所へ行く時には、マスクをして三密を避ける。
他人の誹謗中傷に時間を取るなら、ただし情報を得ること。SNSの情報より厚生労働省や医師会、感染症学会、国立感染症研究所などの公式サイトの情報を得ることである。正しい情報を身につけ、対策を行うことができれば、不安も少しは和らぐだろう。
また、貴人には個人の考え方がある事はよく理解するが、それは自分自身の中に留めておくことも大切だ。他者には他者の考え方がある。自分の考え方が一番正しいなど思い上がらず、方に触れない限り他者の意見も尊重し、自分の意見を強要しない。
自己中心的な行動
極端なことをいえば、国民一人ひとりが責任を持ち、自己判断することなく、政府や専門家の公式見解をよく理解し、正しい感染症対策を行い責任ある行動を行えば、国内で最初の感染症発症者が確認された後、2週間〜3週間で感染症対策は終了させることが出来たはずである。
そこに「私だけは大丈夫だろう」とか「これくらいなら」「せっかくだから」「友達一人くらいに会っても」などなど自覚を持たない人々が、感染症を拡大させたのではなかろうか。
国民一人一人が自覚を持って行動すれば、政府が非常事態宣言を発出する必要もなければ、数週間にも及ぶ自宅待機をする必要もなく、経済的なダメージも最小限で済んだのではないか。
将来必ず、新しい未知の感染症がやってくる。それまでに国民一人ひとりが今回の新型コロナウイルス感染症に対する感染対策を良き反省材料とし、次回までに国民意識のさらなる向上を目指したいものだ。
今回の新型コロナウイルス による感染症対策は、環境問題とも同じく思えてくる。私だけなら、これくらいならなどと考える人がいる間、環境は、いつまで経っても改善できない。一人ひとりが環境改善に向けた意識の向上と、全員の力を合わせて、初めて成し遂げることができるのではないだろうか。
もしかすると、地球にとってのウイルスは、私たち人間なのかもしれない。地球にとってのウイルスとならないよう、今回の新型コロナウイルス感染拡大により、地球上の人類は、個々の生活様式を見直す良い機会を与えられたのかもしれない。
新型コロナウイルス|COVID-19|経緯
2019年12月 中国・武漢市で原因不明の肺炎患者確認 |
2020年1月16日 神奈川県|国内初の感染者を確認、中国・武漢市の旅行客と同乗のバス運転手 |
1月25日ごろ マスク需要急激に高まり、店頭からマスク品薄状態に |
1月28日 厚生労働省|「新型コロナウイルス感染症」として指定感染症と定める |
2月3日 「ダイヤモンド・プリンセス号」にて船内感染拡大、横浜港に入港 |
2月11日 WHO|新型コロナウイルスによる急性呼吸器疾患をCOVID-19と命名 |
2月13日 国内初の死者確認、神奈川在住80代女性 |
2月26日 政府|全国的なスポーツ、文化イベントの中止、延期、規模の縮小を要請 |
2月27日 政府|全国の小中高校に3月2日から春休みまでの臨時休校を要請 |
3月9日 専門家会議|「3密条件の重なりを避けるように」と呼びかけ |
3月12日 WHO|「パンデミック 」と認定 |
3月24日 政府|2020東京オリンピック1年程度の延期表明 |
3月25日 東京都|小池東京都知事が都民に週末の外出自粛を要請 厚生労働省|「クラスター対策班」立ち上げ |
4月3日 世界の累積感染者100万人突破 |
4月7日 政府|7都府県対象に5月6日まで特措法に基づく緊急事態宣言を発令 |全住所に布性マスクを2枚配布決定 国会|新型コロナウイルス対策 緊急経済対策第1次補正予算可決 |
4月11日 国内新規感染者数1日最多の700人超え |
4月16日 政府|緊急事態宣言を全国に拡大 |
4月18日 国内累計感染者数1万人突破(クルーズ船除く) |
4月20日 政府|「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」発表 |緊急経済対策第1次補正予算変更の上、可決 ※特別定額給付金10万円配布決定 対象:住民基本台帳記録者 |
5月4日 政府|緊急事態宣言を5月31日までに延長 |
5月7日 国内の1日当たり感染者数100人を下回る 厚生労働省|新型コロナウイルス治療薬「レムデシベル」特例承認 |
5月13日 厚生労働省|新型コロナウイルス の抗原検査簡易キットを承認 |
5月14日 政府|緊急事態宣言を39件で解除 8都道府県は継続 |
5月20日 夏の全国高校野球 戦後初の中止決定 |
5月21日 政府|関西圏(大阪、京都、兵庫)解除 首都圏と北海道は継続 |
5月25日 政府|全国で約1ヶ月半ぶりに緊急事態宣言解除 |
5月29日 政府|麻生議員 令和2年度補正予算案(第2号)提出 |
6月2日 東京都|「東京アラート」発令 都民に警戒呼びかけ |
6月8日 世界の新規感染者24時間で最多の13万6000人 |
6月11日 東京都|東京アラート解除 |
6月12日 国会|新型コロナウイルス 対策 2020年度第2次補正予算案成立 |
6月19日 政府|都道府県間移動の自粛要請を解除する 厚生労働省|新型コロナ感染者との濃厚接触アプリ「COCOA」試験運用開始 |
6月29日 世界の感染症による死者50万人を超える |
参考:NHK特設サイト
:てらだファミリークリニックHP
:YAHOO! japanニュース
新型コロナウイルス緊急経済対策
第1次補正予算 令和2年4月7日
項目 財政支出|※事業規模 |
I.総合経済対策 9.8兆円程度|※19.8兆円程度 |
II.緊急対応策第1弾・第2弾 0.5兆円程度|※2.1兆円程度 |
III.新たな追加分 29.2兆円程度|※86.4兆円程度 |
合計 39.5兆円程度|※108.2兆円程度 |
第1次補正予算変更 令和2年4月20日
項目 財政支出|※事業規模 |
I.感染拡大防止策と医療提供体制の整備及び治療薬の開発 2.5兆円程度|※2.5兆円程度 |
II.雇用の維持と事業の継続 30.8兆円程度|※88.8兆円程度 |
III.次の段階としての官民を挙げた経済活動の回復 3.3兆円程度|※8.5兆円程度 |
IV.強靱な経済構造の構築 10.2兆円程度|※15.7兆円程度 |
V.今後への備え 1.5兆円程度|※1.5兆円程度 |
合計 48.4兆円|※117.1兆円程度 |
参考:内閣府 経済対策等資料
令和2年度補正予算(第2号)の概要
麻生議員提出資料 令和2年5月29日
1.新型コロナウイルス感染症対策関係経費|318,171億円 |
(1)雇用調整助成金の拡充等|4,519億円 |
(2)資金繰り対応の強化|116,390億円 |
(3)家賃支援給付金の創設|20,242億円 |
(4)医療提供体制等の強化|29,892億円 |
(5)その他の支援|29,892億円 |
(6)新型コロナウイルス感染症対策予備費|100,000億円 |